先に こちら でもご紹介しましたが、イイダ傘店による秋の受注会を開催しています。(昨日のイイダ傘店スタッフさんのお洋服は、新作のバームクーヘン柄!会期中は、日傘生地で仕立てたお洋服を着ていらっしゃいます。)日傘・雨傘に加えて、今回は、小物類もたくさん揃えています。
京都では初めてお披露目のサコッシュ。雨傘生地で仕立てているので、雨の日も安心です。改良を重ねて、今の使いやすい形に落ち着いたというデザイン。紐は長さの調節に加えて、片側で外せるので、レインコートを着ていたり荷物の多い時、サコッシュだけ着脱するのに便利です。
オーガニックコットンのミニタオルにもいくつか新柄が加わりました。新作テキスタイルの「こでまり」「バームクーヘン」に加えて、配色を変えた「ビール」も。ペールエールのようなオレンジ色… お酒好きな方へのプレゼントにおすすめです。
令和元年秋 イイダ傘店 日傘・雨傘展
9月17日- 9月23日(最終日は16時まで)
恵文社一乗寺店 ギャラリーアンフェール
(田川)
ギャラリーアンフェール店内の一角でスタートしたミニフェア、まんまる◯「紙と本をたのしむ秋」。初日からご好評いただいています。
まんまる◯さんは、東京・荒川区に小さな活版工房を構え、ご夫婦で活版デザインの楽しい本や雑貨を丹精込めて制作されています。大きな荷物ではるばる搬入に来てくださいました。
今回のフェアに間に合うように制作された新作も含め、机に乗り切らないほどたくさんの種類が並びます。オリジナル商品はもちろん、作家さんとのコラボレーションも数多く手がけられているまんまる◯さん。今回は特別に作家さんの原画作品や、版も展示用にご用意いただき、とても賑やかなフェアになりました。
こちらは「銀河鉄道の夜 カードブック」。活版印刷と聞いて、いつも私が一番に思い出すのは「銀河鉄道の夜」でした。ジョバンニが学校帰りに働く活版所。少し淋しげで薄暗くて、でも“歌うように読んだり数えたりしながらたくさん働いておりました”という一節がやけに印象に残る、とても好きなシーンのひとつ。今回、銀河鉄道の夜を題材にしたカードが届くと聞いた時は心が踊りました。
夜の雲のような柔らかく少し重みのある黒いカード。数多ある星のように本の中できらめく言葉を拾い上げて、銀河鉄道の夜の世界がそれはそれは美しいカードになりました。
こちらは星めぐりの歌のカード。ジョバンニのように“拾った活字をいっぱいに入れた平たい箱”も一緒に展示されています。
こちらは、夜空で星座を探すように、寄せては返す波のように、思い思いに記憶や思いを綴るという素敵なコンセプトでつくられた美しいノート「星綴帳」と「海潜帳」。
そしてこちらは、ノートの切れ端でつくられたアクセサリー「星綴帳のかけら」。アクセサリー作家po0olさんとのコラボレーション。一つ一つ形が違う紙のかけらのパーツが使われていて選ぶのも楽しいアクセサリーです。
銀河鉄道の夜や月の満ち欠けをモチーフに手動活版印刷機で印刷された「煌めき星カード」や「月の満ち欠けコースター」。
活版印刷のカードはいろんな種類をご用意いただきました。贈り物に添えたり、久しぶりに手紙をしたためてみたり、贈られた人もきっと笑顔になってくれる素敵なカードが揃います。この機会にぜひご覧ください。
フェアの片隅には手書きで綴られた大きな案内パネル。読んでいるとまんまる◯さんのこだわりが垣間見れます。質感も表情もさまざまな紙の上に色づく活版印刷。一つ一つの工程に手間暇をたっぷりかけてできあがる印刷物は、愛らしく、そっと手から伝わる感覚がとても心地よい。フェアに並ぶ一つ一つがより愛おしくなってきます。
「紙と本をたのしむ秋」と名付けられたとおり、静かで長い秋の夜、ゆったりした時間を共に過ごしたい紙ものが揃いました。ご来場をこころよりお待ちしております。
(今回コラボレーションでご参加いただいた作家さんのご紹介はこちら!)
まんまる◯「紙と本をたのしむ秋」フェア
開催期間:2019年9月16日(月)-30日(月)
開催場所:ギャラリーアンフェール店内
(上田)
ギャラリーアンフェールでは大原佳菜絵さんによる個展「ヒャクとゼロ分のイチの物語 -o.kanae ballpoint-pen art exhibition-」を開催中です。壁にずらっと並ぶのは、毎日一枚ずつ描かれたボールペン画100枚。連日たくさんの方にご来場いただいています。
ギャラリーのお申込みをいただいて、初めて作品を拝見した時、ポストカードサイズの小さな紙片に細いボールペン一色で描かれたイラスト。細部まで丁寧に描き込まれていて、すーっと吸い込まれるようにじっと凝視してしまいました。さらにはこれを毎日一枚ずつ描き溜めたと言われるので、それはもう度肝を抜かれたのをよく覚えています。
描かれるのは、ときめくほどファンタジックな世界。紙の枠を飛び越え広がる想像の世界。「月の味がするお菓子」「とおくにあるあこがれのかたまり」「夜を見方に進む朝」「泳ぐのをやめた夜」…一枚一枚にすてきな言葉が添えられていて、いっそう味わい深く惹き込まれます。
大きな目をくりくりさせてこちらを見つめる妖精のような生きもの、見たこともない景色…少しセピアがかったボールペン一色なのに、眺めているとイメージも手伝って虹色のように鮮やかなイラストに見えてくるのが不思議。
100枚の絵それぞれに無限に広がる世界があって、お気に入りの一枚とじっくり対話しながら物語を綴ってみてください。ゆっくり過ごしていただきたい展示になりました。ご来場をこころよりお待ちしております。
ヒャクとゼロ分のイチの物語 -o.kanae ballpoint-pen art exhibition-
開催期間:2019年9月10日(火)-9月16日(月祝)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
何の変哲もないボールペンと紙から世界は始まりました。
毎日1枚ずつポストカードサイズで絵を描くという挑戦が、100の物語を生み出しました。
画面のなかにいるものたちは、次元の向こうのずっととおいところまで繋がって、無限大に広がっていくお話の一部です。
大きめの作品や、水彩を下地にした作品も併せて展示していきます。
あなたに出会いたい物語がいます。どうぞ、会いに来てみてください。
(上田)
吉祥寺にあるイイダ傘店アトリエで開催中の『令和元年秋 日傘・雨傘展』受注会は、本日9日まで。9月17日からは、会場を当店に移して開催しますが、一足先に東京展で見てきた新作を、こちらで紹介したいと思います。私がお邪魔した日、スタッフの方々は皆さん、新作テキスタイルで仕立てたお洋服を着て接客されていらっしゃいました。(なんとスタッフさんの手作りだそうです。購入したいほどの可愛さですが… 非売品です。)こちらは新作の刺繍生地「傘格子」。
今回は日傘が新作柄、雨傘は前回の受注会で発表したものからご注文いただけます。
写真上は今回のメインビジュアルにもなっている「バームクーヘン」。太さが均一ではない、表情のある糸を使用しているからこそ、シンプルな円が、とてもバームクーヘン「らしい」。イイダ傘店ならではの遊び心あるデザインです。
プリント生地の「こでまり」は、昔懐かしいワンピースにあるようなクラシックな花柄の生地をイメージして作られました。まずは鮮やかな色に目がいきますが、傘をさしてみるとなるほど、白いこでまり模様との組み合わせのせいか、レトロな雰囲気に。ぜひ鏡の前で開いてみてください。
傘以外にも、今回はサコッシュなどの新アイテムや、2020年カレンダーも販売します。皆様のご来場をお待ちしています。
令和元年秋 イイダ傘店 日傘・雨傘展
9月17日- 9月23日
恵文社一乗寺店ギャラリーアンフェール
(田川)
ギャラリーアンフェールではイラストレーター・ナカムラユキさんの原画展を開催中です。雑誌や企業広告、挿絵等、数多くのイラストレーションを手がけられているナカムラユキさん、きっと皆さんどこかでイラストをご覧になったことがあると思います。
今回は、ナカムラユキさんがイラストを担当された「ころんちゃんの香りとあそぼ♪」の発売を記念した原画展および展示販売会となります。「ころんちゃんの香りとあそぼ♪」は、香り豊かな木のキューブチップを自分でブレンドしてオリジナルの香りが作れるキット。
月桃、黒文字、柚子、モミ、檜、杉の6種類の香りは、どれもぬくもりを感じるふわっと優しい心地にしてくれます。それぞれのチップを好きに組み合わせてブレンドして、少しずつ変わる香りを確かめながら自分好みの香りをつくる、実験のような楽しいキットです。ナカムラユキさんのイラストが可愛らしい小さなペーパークラフトバッグや、カードも付属されているので、作った香りを大切な人への贈り物にするのもいかがでしょう?
会期中は15%OFFの特別価格にてご購入いただけます。また、8日には実際に香りを体験できるイベントもギャラリー内で開催します。ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。
壁を飾るのはナカムラユキさんの原画たち。「ころんちゃんの香りとあそぼ♪」で使用された原画はもちろん、パリの風景を描いたイラストもずらり。
ナカムラユキさんのイラストは、鼻歌交じりで散歩にくり出した時のような、リズミカルで軽やかに踊る線がとびきり楽しい気持ちにしてくれます。これまで数十回パリを訪れたというナカムラユキさん。あちこちに漂うパンの香り、耳に心地よいフランス語、賑やかなマルシェ…憧れのパリの様子がいきいきと伝わってくるすてきなイラストが並びます。
原画は一部をのぞき額装付きで販売もしています。なんと額はそれぞれのイラストに合わせて特注されたもの。イラストをより惹きたててくれています。
会場では、原画展示の他に、ナカムラユキさんがデザインを手掛ける京都・寺町「プティ・タ・プティ」のグッズ等の販売も行います。
優しい香りとともに楽しむ原画作品。マルシェのように色とりどりの心躍る展示になりました。ぜひ遊びにいらしてください。ご来場をこころよりお待ちしております。
ナカムラユキ原画展『ころんちゃんの香りとあそぼ♪』
開催期間:2019年9月3日(火)-9月9日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
イラストレーター・ナカムラユキさんのイラスト約30点の展示とお洒落な小物や書籍など販売します。
天然植物精油100%の心地よい香りをアソートにした新商品『香りとあそぼ♪』は特別キャンペーン価格にてお買い求めいただけます。
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『香りとあそぼ♪』(ナカムラユキ×京ころん)
好きな香りを選んで自分だけのオリジナルブレンドを作れる6つの香りのアソートが誕生しました。パッケージに描かれた可愛いイラストの原画を是非この機会にご覧ください。
インテリア照明付アロマディフューザー「京ころん」も展示いたします。
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体験イベント開催!
好きな香りを3つ選んでオリジナルブレンドを作れる体験イベントも同時開催します。
日時:2019年9月8日(日)12:00-17:00
会場:ギャラリーアンフェール内
体験料:500円
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ナカムラユキ/イラストレーター
京都・寺町「プティ・タ・プティ」テキスタイルデザイナー
1988年キャラクターコンペ入賞を機にフリーのイラストレーターへ
雑誌「an an」「olive」「non・no」他多数の雑誌、企業広告、書籍挿画等のイラストレーションを手掛ける。
主な著書に、「京都に暮らす雑貨暦」「京都文具探訪」(共にアノニマ・スタジオ)、「エドウィナからの手紙」(金の星社)他多数。
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主催:株式会社トリートーン
(上田)
ギャラリーアンフェールでは、陶器と硝子、四人の作家さんが一堂に会した展示を開催中です。展示タイトルの「think outside the box」は「既成概念にとらわれない」の意。素材の持つ既成概念から一歩踏み出して、四人それぞれが自由に想像、制作された作品が並びます。
<石原茉由子さん>
七宝文をモチーフに、小さな陶板が美しく配置された額装作品。円形が無限に繋がる七宝の模様は縁起物とされています。シンプルに大胆ではっと目を惹く美しい作品。
こちらは懐中時計や腕時計に使用される小さな小さな部品だけを組み合わせてつくられた動物たち。指先ほどの小さな作品ですが、今にも歯車が回って動き出しそう!
<岡村由季奈さん>
女性の肢体をモチーフに、女性ならではの美しさを意識し表現した作品を制作されています。壁に並ぶこちらは、色とりどりにメイクアップされた唇。陶磁特有のぽってりとした質感がやけに艶かしくてどきっとしてしまいます。
こちらはぐい呑み。自立せず、穴が空いた土台にはめて置きます。穴を間違えてしまう頃にはそろそろ宴もおしまい?楽しい酒器です。
<西野瑠華さん>
細い糸で編まれたレース布をモチーフにした作品。今にもふわっと崩れてしまいそうなほど、繊細な美しさに惹き込まれます。
こちらは食べてしまいたくなるほどに美しくて美味しそうな和菓子をモチーフにした蓋物。硝子が持つ表現力に驚きます。
<草薙聖子さん>
球体から美しい影が浮かび上がる「大菊」はまるで魔法のよう。空気が静まるようなたおやかな佇まいに心がきゅっとする、美しい作品が並びます。
大ぶりのイヤリングはこれからの季節にぴったりの落ち着いたカラー。
陶磁や硝子という私たちもよく知っているはずの素材のイメージを覆す作品に驚くばかり。こうあるべき、こうであったはずといつの間にか植えつけられた概念が砕け散って生まれる素材の新しい可能性に心が踊ります。
少しひんやりした風が鼻先を霞めはじめ、感覚が冴え渡ってくるこの季節に、じっくり堪能いただきたい展示になりました。ご来場をこころよりお待ちしております。
陶と硝子展 -think outside the box-
開催期間:2019年8月27日(火)-9月2日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
陶芸作家2名と硝子作家2名によるグループ展。
“Think outside the box”は「既成概念にとらわない」の意からきています。
それぞれの考えや求めるものを自由に想像した、これまでの素材の既成概念から「一歩踏み出し」制作された4人の作品をご覧ください。
<展示作家>
陶磁: 石原茉由子 岡村由季奈
硝子: 西野瑠華 草薙聖子
(上田)
ギャラリーアンフェールでは、写真家・森本徹也さんによる「砂丘へ To the Sand Dunes」展を開催中です。森本さんは、国内外で数々の賞を受賞され、多くの広告写真を手がけられているので、きっと皆さんどこかで森本さんの広告写真を目にしたことがあると思います。今回はちょうど夏休みのシーズンに二週間、いつもとちょっと違うギャラリー空間をつくってくださいました。
鳥取砂丘といえば、一面に広がる砂色と青空のコントラスト、そこにラクダが悠然と歩いている、そんなイメージ。数ヶ月前、ギャラリーお申込みに来られた森本さんに渡された「砂丘へ」という写真集。表紙にはピントがぼやけているけれどイメージ通りの砂丘の姿。
でも、中を開いてパラパラ頁をめくると、あれ?何か変な違和感。最初何が違う感じなのかわからなくて、途中から「あ、雪の砂丘!」と気づきました。不意をつかれたような、あっけない謎解きのような、なんだかそれがやけに清々しくて可笑しくて、不思議な瞬間を味わいました。
森本さんが別のプロジェクトで冬の鳥取砂丘を訪れ、予想していなかった白い雪景色を写真に撮って、期待はしていなかったけれど帰って現像してみたらとても美しくて、この写真集が生まれたそうです。
今回は、この写真集に収録された作品が展示されています。その時の感覚を再現するように、ギャラリーは白い布で覆われて、なんだかいつもと違う場所みたい。白い砂丘とどんより白い空、白く曇った車窓…白い空間に白い写真が並びます。
見渡す限りの砂丘、大人も子どもも雪にまみれてはしゃいでいたり、物思いにふけったり。飾らない目線で、偶然カメラにおさまった、思い思いに過ぎゆく時間。きっととても冷たくて寒くて、まばゆくて、この時期だけの特別なひととき。まだ少し遠い冬をほんのり肌に感じて、心地よい空間になりました。
しばし暑さを忘れて、冬の景色に埋もれてみてください。ご来場をこころよりお待ちしております。
「砂丘へ To the Sand Dunes」森本徹也
開催期間:2019年8月13日(火)-8月26日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
元々別の企画で撮影に出かけた砂丘だが、そこに到着したら、全く予想もしていなかった雪に覆われていたというフォトストーリー。写真の偶然性や無計画性の重要性に気づき、すべてその時偶然撮ったもので構成してみた実験的な写真集です。
森本徹也
N.Y.にて、ファインアートを学んだ後、大手広告代理店製作会社を経て、2014年に森本徹也写真事務所を設立。
主に広告写真に携わり、東京ADC , N.Y.ADC , CANNES LIONS , N.Y. ONE SHOW など受賞多数。
www.tetsuyamorimoto.com
(上田)
ギャラリーアンフェールでは、日本画のたなかまゆみさんと、油彩画の中村真知さんによる二人展がスタートしました。
大学で共に美術を学ばれたお二人が久しぶりに開催される展覧会。搬入を終えて作品を眺めながら少しお話しました。「人の目に触れるのは久しぶりで」と少し恥ずかしそうに話されるお二人の後ろで、一枚一枚丹精込めて描き込められた作品たちがお披露目を喜ぶようにいきいきと堂々と壁を飾る姿がとても愛おしく思えました。
鮮やかな色彩が目を引く中村真知さんの油彩画。目を奪われるほどに色鮮かで、光り輝いているような色の妙に惹き込まれます。
日常で感じる一瞬の煌めきを写真ではなく絵で残したい。中村さんならではの方法で、こんなすてきな光景を感じたよとそっと教えてくれるよう。作品にはタイトルがついていないものが多く、タイトルに想像を限定されず、感じるままに作品を楽しんでもらいたいという思いが込められています。
続いて、たなかまゆみさんの日本画。中央を飾るのは、教会が好きというたなかさんが、五島の教会などを描いた作品。日本画独特の深みのある色合い、岩絵具がキャンバスの上でそっと瞬いて、静けさと穏やかな佇まいが日だまりのように優しく包み込んでくれます。
薄暗い教会に足を踏み入れて、ステンドグラス越しに差し込む光が万華鏡のように煌めく、静粛の中で起こる奇跡のような瞬間が、長い時間をかけて、一枚一枚の絵におさめられました。
記憶を残す方法はいろいろあるけれど、自分の中に沸き起こる思いや感情に色をつけてキャンバスに放出できるなんて、”絵を描く人”がなんだかちょっとうらやましくなってしまいました。言葉より雄弁に豊かな感動を伝えてくれる作品たち。しばし暑さを忘れて、絵の醍醐味にじっくり浸って眺めていたい空間になりました。ご来場をこころよりお待ちしております。
たなかまゆみ・中村真知 二人展
開催期間:2019年8月6日(火)-8月12日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
過ぎる日を、うつろう光を、こぼれる想いを
そっとすくうように 絵にしました。
(上田)
ギャラリーアンフェールでは、平尾英祐さんによる初めての個展「詩集を抱いて」がスタートしました。水中に遊ぶ魚たちのように涼やかに、木版画作品が壁を飾ります。
真っ先に目に飛び込むのは、中央の大きな作品。「ひとひかげのブルーム」という素敵な名前がついています。遠く高く突き抜ける青空のような、喧騒を遮るようにどぶんと潜るひんやりとしたプールの底のような。深く爽やかな色合いが目の前いっぱいに広がってとても気持ちいい。
今回の案内状にもなった夕焼けの灯台が描かれた作品は「compass」。思っていたより大きな作品で、全てを包み込む優しさを感じる柔らかい朱の色が印象的です。
お隣は「kaleido scope」。漁火のような星影のような、散りばめられた光の粒が木版画で美しく表現されています。
小さな魚が群れをなして、ギャラリーへ誘ってくれるような作品群は”memo”シリーズ。お部屋に飾りたくなるちょうどよいサイズ感の作品は、小さいながらも木版画の魅力がぎゅっと詰まっています。
頭の中でなら自由に駆け巡らせることができる想像は、見せることができなくて、言葉にするのが難しい。そんなとっておきの景色が、手間隙かけて丹精込めて、紙の上に躍り出たよう。
印刷の手法として古くから活躍していた木版。日本では江戸時代の浮世絵でめざましく発展したそうで、今もご存知の通り美しい作品が数多く残されています。
すっと静かに佇む凛とした空気感を纏った作品とは裏腹に、よく見れば躍動する彫り筋。版木に向き合う作家の熱量はきっと凄まじく、そこに色をのせて紙を置きばれんをあてる、木版画ならではの一連の所作も美しい。直接描かれる絵画とは少し違って、作家と、作品と、みる人、それぞれの間に心地よい距離感がある気がします。
そういえば木版画の展示は久しぶりで、今回の平尾さんの作品を眺めていたら、そんな木版画の魅力に思いが巡りました。
静寂の水底で微かな音をたてて漂う魚たちのように、知らない何処かでそっと飛んでいった一片の花びらのように、儚いけれど一瞬の煌めきが心に触れる。暑さをふと忘れさせてくれる心地よい空間になりました。どうぞゆっくりお過ごしください。ご来場をこころよりお待ちしております。
平尾英祐 個展「詩集を抱いて」
開催期間:2019年7月30日(火)-8月5日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
わたしは散歩が好きで、音楽を聴くのが好きで、絵本が大好きです。
散歩で見つけたあれこれが、音楽のもつイメージが、絵本の慈しみがわたしの作品の種です。
今回が初めての個展なので、どんな空間になるのか、わたし自身楽しみで不安です。それでも、おしゃべりをしたり、静かに見たりと、さまざまな風景を想像するととてもわくわくします。
ただ空間を漂うだけでかまいません。
その時間をときどき思い出して、何かのお力なれば幸いです。
(上田)
福島を拠点に鉄彫刻を制作されている安斉重夫さんの個展がスタートしました。東京や東北の他、昨年はフィンランドでも個展を開催され、今回はなんと97回目の個展!関西での個展は初めてだそうで、この機会にぜひたくさんの方にご覧いただきたい展示になりました。
今回は「北欧の森の物語」をテーマにした作品が並びます。初日の本日も、ギャラリーいっぱいに広がる風景に、わーっと声を上げてギャラリーに惹き込まれていく方がたくさんいらっしゃいました。
大きく広がる美しい枝ぶり、どっしりとした大木、ふわふわ揺れる綿毛、川のせせらぎ…鉄を自在に操って、形だけではなく、音や風景、豊かな色彩、空気感までも伝わってくる気がするほどに、表情豊か。溢れんばかりの素敵なお話を語りかけてくれるようです。
とぷとぷと広がる黄金色のワインの湖に誘われて、湖畔に優しく広がる木々の梢、妖精たちが奏でる音楽、恋人たちの甘い囁き声…
光を当てれば優しい影が浮き上がって、広がる森の風景に心が踊ります。
こちらはマイホームと名付けられた大きな作品。丸い鉄のお家。ライトを灯して中を覗いてみてください。鉄だけど、とてもあたたかい夢のようなお家。
「俺さまが一番!」「ねえ見て見て!」と今にも声が聞こえてきそうなどんぐりの背くらべ。個性豊かなどんぐり達につい笑顔がこぼれます。
いろんな形が並ぶペンダント。木の上や三日月で音楽を奏でる妖精や、表情豊かな動物たち…手のひらほどの小さな額縁が胸元を飾ってくれます。塗装がされているのでお洋服に汚れがつくこともなく、安心してお使いいただけます。
作品たちの楽しい表情やおもしろい影にちびっこも夢中!ご家族で楽しんでいただける展示は、夏休みのお出かけにもおすすめです。マネージャーをされている奥さまと二人で会期中は京都に滞在され、全日在廊していただけるとのこと。とても気さくなお二人とのおしゃべりもぜひお楽しみください。
胸いっぱいになるくらいファンタジックで、溢れんばかりのユーモアに笑みがこぼれる、それはそれは楽しい優しい物語がたくさん詰まった展示になりました。
蝉の声が聞こえだしてそろそろ梅雨も明けそうな夏本番。店内涼しくしてお待ちしています。ぜひご堪能ください。ご来場をこころよりお待ちしております。
安斉重夫 鉄の彫刻展「北欧の森の物語」
開催期間:2019年7月23日(火)-7月29日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
鉄の溶接により、大自然の中に生きる少年や少女、妖精の姿をファンタジックに表現、制作しました。昨年は、フィンランド・ヘルシンキで個展を開催しました。どうぞご覧下さい。
<安斉重夫メッセージ>
鉄が好きです。固くて、強いのに
やがて、さびて朽ち果ててゆく。
まるで人間のようです。
わたしも自然(宇宙)のひとりとして
生きてゆきたい。
遊んでいる子供のように
生き生きと!
(上田)