ギャラリーアンフェールでは、日本画のたなかまゆみさんと、油彩画の中村真知さんによる二人展がスタートしました。
大学で共に美術を学ばれたお二人が久しぶりに開催される展覧会。搬入を終えて作品を眺めながら少しお話しました。「人の目に触れるのは久しぶりで」と少し恥ずかしそうに話されるお二人の後ろで、一枚一枚丹精込めて描き込められた作品たちがお披露目を喜ぶようにいきいきと堂々と壁を飾る姿がとても愛おしく思えました。
鮮やかな色彩が目を引く中村真知さんの油彩画。目を奪われるほどに色鮮かで、光り輝いているような色の妙に惹き込まれます。
日常で感じる一瞬の煌めきを写真ではなく絵で残したい。中村さんならではの方法で、こんなすてきな光景を感じたよとそっと教えてくれるよう。作品にはタイトルがついていないものが多く、タイトルに想像を限定されず、感じるままに作品を楽しんでもらいたいという思いが込められています。
続いて、たなかまゆみさんの日本画。中央を飾るのは、教会が好きというたなかさんが、五島の教会などを描いた作品。日本画独特の深みのある色合い、岩絵具がキャンバスの上でそっと瞬いて、静けさと穏やかな佇まいが日だまりのように優しく包み込んでくれます。
薄暗い教会に足を踏み入れて、ステンドグラス越しに差し込む光が万華鏡のように煌めく、静粛の中で起こる奇跡のような瞬間が、長い時間をかけて、一枚一枚の絵におさめられました。
記憶を残す方法はいろいろあるけれど、自分の中に沸き起こる思いや感情に色をつけてキャンバスに放出できるなんて、”絵を描く人”がなんだかちょっとうらやましくなってしまいました。言葉より雄弁に豊かな感動を伝えてくれる作品たち。しばし暑さを忘れて、絵の醍醐味にじっくり浸って眺めていたい空間になりました。ご来場をこころよりお待ちしております。
たなかまゆみ・中村真知 二人展
開催期間:2019年8月6日(火)-8月12日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
過ぎる日を、うつろう光を、こぼれる想いを
そっとすくうように 絵にしました。
(上田)